インテリア富士より・・・
”懐かしさ”は今、最も人々の心を惹きつける存在のようである。
懐かしさとはそもそも突き詰めれば個人的な体験である。個人的な体験の記憶がなんらかの刺激をうけて時間と空間を越えて蘇り、それを反芻することで感じるものであると思う。美しさに説明はいらないのと同じように、懐かしさにも説明はいらないのであろう。
“説明はいらない”というのは、説明をしなくてもそう感じてもらえる、という意味である。“懐かしさ”は目の前にある対象との関係を容易に結びつけてくれる “仲介者”である。
すぐさま時空を超えて関係を結ぶことが可能となる。懐かしさという誰もが持つ感覚、感情によって、わずかなエネルギーによって、対象との関係を切り結ぶことが可能となる。その懐かしさを醸し出す、あるいは呼び起こす要素は、かたち、色、味、におい、音などである。たとえば、なつかしの名曲、思い出の歌、などはその曲や歌を聴いていた当時を思い出すから、なつかしいと感じるのであり、あの頃の自分へのなつかしさを、その時代背景とともに呼び起こすからである。これはよく言われることだが誰もが感じることであろう。 |